日本薬剤疫学会

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第14回学術総会(2008年)

会 長:望月 眞弓(慶應義塾大学薬学部医薬品情報学講座)

会 場:北里大学薬学部コンベンションホール(学術総会8,9日)

慶應義塾大学薬学部(3号館11階)(チュートリアル・ワークショップ7日)

会 期:2008年11月7日(金)~9日(日)

テーマ:薬剤疫学の発展と定着―今取り組むべき課題―

シンポジウム1「薬剤疫学研究の現状と今後」

シンポジウム2「医薬品評価と薬剤疫学~患者さんへ真に役立つ医薬品の提供を目指して~」

 【報告】


第14回学術総会は、「薬剤疫学の発展と定着―今取り組むべき課題―」をメインテーマとして、11月7、8、9日の3日間にわたって開催された。今回は新たな試みとして、チュートリアルワークショップ、モーニングレクチャー、ポスター発表などを取り入れた。

第一日目は慶応義塾大学薬学部芝共立キャンパスを会場に「チュートリアル・ワークショップ―薬剤疫学の基礎と実例:教育担当者と実務者のための実践講座―(オーガナイザー:久保田潔、東京大学大学院医学研究科)」 が行われ、48名の参加を得た。出席者の皆様からは非常に勉強になったと感謝された。続く第二日目、第三日目の2日間は北里大学薬学部白金キャンパスを会場として、特別講演2題、教育講演1題、モーニングレクチャー1題、シンポジウム2題、一般演題口頭発表14題、ポスター発表8題が発表され、活発な意見交換が行われた。

特別講演では、統計数理研究所リスク解析戦略研究センター教授 藤田利治氏から「副作用評価におけるシグナル検出」、千葉大学大学院薬学研究院GP講座特任教授 黒川達夫氏から「変遷する医薬品安全対策と工学的な発想」が、教育講演では京都大学大学院医学研究科教授 佐藤俊哉氏から「薬剤疫学の基礎となる疫学・医療統計の考え方」が講演され、いずれもトピックに関して見聞を深めることができたという反響をいただいた。また、東京大学大学院医学研究科教授 大橋靖雄氏によるモーニングレクチャー「疫学研究に関する倫理指針」には朝早くからにも関わらず多くの方が参加してくださり、指針への関心を高めていただく好機となった。

シンポジウムは1日目に「薬剤疫学教育の現状と今後」座長:黒山政一(北里大学東病院)、池田俊也(国際医療福祉大学薬学部)、2日目に「医薬品評価と薬剤疫学~患者さんへ真に役立つ医薬品の提供を目指して~」座長:海老原格(くすりの適正使用協議会)が行われた。

テーマが大学関係者や製薬企業を意識した設定であったことから、聴衆には薬学部教員や製薬企業の学術関係の方が多く、薬剤疫学会の参加者の層が拡がった。このほかランチョンセミナー2題も行われた。学術総会の総参加者は347名とこれまでになく大勢の参加が得られた。